富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる



 

「軽減税率ありき」で議論は進む

消費税を10%に上げるに当たり、「軽減税率」についての報道がかまびすしい。

やれ「対象品目」をどうするとか、

hbol.jp

やれ「与党である自民党と公明党の意見が食い違う」とか。

www.tokyo-np.co.jp

世の中の流れは「軽減税率」一辺倒で、他の措置(例えば、低所得者層に絞った給付金など)の声はあまり聞こえてこない。

 

金持ちばかりがトクをする政策

いろいろな人が発言しているが、なぜか大々的には報道されていない、重要なポイントがある。

例として、週刊東洋経済 2015年11月28日号「経済を見る眼」に載った、小峰隆夫・法政大学大学院教授のコラムより引用する。

 

高所得者のほうが高価な食品を食べるので、食料品に軽減税率を適用すると、高所得者ほど得をする金額が多くなってしまう。低所得者のための所得再分配政策としては極めて効率が悪い。

- 「軽減税率という『本末転倒』」 小峰隆夫 週刊東洋経済 2015年11月28日号

つまり、

  • ディスカウントスーパーで「魚肉ソーセージ」を買う貧乏人

よりも、

  • 成城石井で「国産黒毛和牛」を買う金持ち

の方が、支払う金額が多いぶん、よりおトクな思いをするというわけだ。

消費税の「逆進性」については、5%から8%に上がる時によく目や耳にした記憶があるが、「軽減税率」の報道に関して、その議論が大々的になされないのはなぜだろうか。

この辺については、小峰教授が以下のように分析している。

 

各種世論調査では、軽減税率に賛成という意見が多数を占めている。専門家でない人々は、自分の身の回りのことだけで政策の是非を判断し、「とにかく食料品が値上がりしないのは助かる」と考えてしまうからだろう。

- 「軽減税率という『本末転倒』」 小峰隆夫 週刊東洋経済 2015年11月28日号

「税を軽減する率」という言葉と、「食料品の消費税率は上がらない」というざっくりとしたイメージばかりが先行して、世間に関心の無い人達には「軽減税率」の実態が見えていないのだろう。

 

そもそも消費税を上げなければいいのに

軽減税率の議論は、落ち着くどころか、日が経てば経つほど混迷を深めているように見える。そもそも消費税を上げなければ、こんなムダな議論をしなくてもいいのに、お上の考えることは本当によくわからない。

先月の下旬頃だったと思うが(録画したのに誤って消してしまった(泣))、「バラいろダンディ・木曜日」で、敬愛する苫米地英人氏が

安倍首相は、2017年4月に予定されている消費税増税を見送るだろう

という仰天予測をぶちかました。

軽減税率の議論が紛糾し、景気も落ち込み、結果として支持率も低下して・・・その窮地を救う「一発逆転の策」として、「消費税増税見送り」をぶち上げ、さらに衆参両院同時選挙に打って出るのだと言う(たぶんそんな理由だったと思います・・・違ってたらごめんなさい)。

私の記憶の正誤を確かめようとググったが、それらしい記事も動画もなかったので、この仰天予測は支持も拡散もされていないようだが、昨年12月の解散・衆議院選挙も予測を見事的中させた苫米地先生の考えることだ。
決して絵空事ではないと、私は思っている・・・というか、そうなることを願っている。

なぜなら、8%でもじゅうぶん「痛税感」があるというのに、10%とか・・・あり得ねえわ。

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