M109Rで二輪のユーザー車検に行く_2017:前篇
社会生活を送る上で、面倒かつ無意味と思っても避けて通れないものがある。「車検」がその最たる例だ。
パクられないためにシブシブ
ディーラーによる半年ごとの定期点検は、私は有意義だと思っているので面倒でも欠かさずに受けることにしているが、検査員が流れ作業で“ちゃちゃっ”と確認するだけの車検は、「車両の点検/整備」という観点からするとほとんど意味を成さない。それでも、キッチリ定期点検を受けている私のような者でも、2年ごとにその何の意味も無い“検査”を受けなければならない。
もちろん、車検なんか受けなくてもクルマやオートバイは走るワケだが、もし車検が切れた状態で警察関係の方々に見つかった場合、「無車検車運行」とやらでパクられてしまう。私の場合、今年の11月5日までにパクられると、今度は悪夢の「60日免停」である。ホンダ・PCXでの通勤路にささやかな喜びを見出している現在、それだけは絶対に避けなければならない。
なぜ自治体間で連携しない?
車検を受けるに当たって、自動車税の「納税証明書」が必要となる。クルマの場合は「オンラインで確認できるようになった」とかで既に提出不要になっているが、各市区町村に納付する二輪車の場合は、21世紀も17年目を迎えた現在でも、“紙”の証明書を提出しなければならない。いったい今は何時代なんだろう、と思う。
とは言え文句を言っても始まらないので、車検が切れる10日前になってようやく、「納税証明書」を探し始めた。が、2代目M109Rに乗り始めた翌年の平成23年から昨年までの分はあるのだが、肝心の今年の分がない。そもそも、M109Rの分の自動車税を払った記憶もあいまいである。
ここ数年、クレジットカード払いができない税金や公共料金の類はすべて「モバイルレジ」を利用しているので、支払っていればオンラインバンクの入出金記録に残っているはずだが、ホンダ・PCXの分は戸塚区役所に支払った記録があるものの、M109Rの方は記録がない。なぁんだ、オレ税金払ってねえんじゃん。
でも、納税通知書も何も届いてないのはどういうわけだろう。
川崎市かわさき市税事務所市民税課に問い合わせると、応対してくれた女性は電話の向こう側で悪びれる様子もなくこう言い放った。
「昨年戸塚にお引っ越しされたということで、バイクはもう川崎にないと判断しましたので、今年は通知書をお送りしませんでした」
なんだよそれ。だったら転出先に申し送りするとか、そういうシステムはこの国の地方自治体には存在しないのだろうか。同じ神奈川県の隣接する自治体、しかもいずれも全国的に名の通った政令指定都市にもかかわらず、だ。
ということは、車検さえ受けなければ、M109Rの軽自動車税は未来永劫ずっと払わずに済んだわけだ。きっと世の中には、車検も受けず、税金も払っていないヤカラが一定数いるんじゃないだろうか。
レッドバロンの車検代行料は恐ろしく高い
私のM109Rは川崎ナンバーのままなので、ユーザー車検は「関東運輸局 神奈川運輸支局 川崎自動車検査登録事務所(長い!ので以下では「検査場」と記す)」まで行かなければならない・・・ということはなくて、別に横浜の検査場でも川崎ナンバーの車検は受けられるのだろうが、
(▲川崎の検査場にいた白のホンダ・インテグラは足立ナンバーだった)
過去2回、ユーザー車検を受けて“勝手知ったる”川崎の方が、前回から2年経って手順等をすっかり忘れているとは言え戸惑うことも少ないだろうし、何より横浜より川崎の方がきっと空いているだろうから、拙宅から約30kmとはるか遠くに離れてしまった川崎の検査場に、これまでどおり行くことにした。
もちろん、車検ができるのは平日のみである。現在は業務多忙のため、平日に休むのは忍びない。
というわけでレッドバロン戸塚に「車検前点検」をお願いしたとき、
工場長に「車検代行料がいくらなのか」聞いてみた。金額によっては、レッドバロン戸塚に車検をお願いして平日の休みを回避しようとしたのだ。
返ってきた回答は「24,500円 *1」。高い!
しかも、もちろん検査場で支払う重量税や検査料は別途必要である。レッドバロンHPの「バイク車検・法定点検」を見ると、「◆お申込金¥30,000」と書いてある。検査場で支払う金額はシメて5,500円なので、ぴったり計算が合うな・・・と思ったら、下の方に
* 車検料金のお見積もりはサービスフロントまでお申しつけください。
(上記のお申込み金には点検料・手続き代行料などは含まれません)
と明記されていた。ってことはなんだ、レッドバロンに車検代行を頼むと 、
という、とんでもない大金が必要ってことになるのか?
ま、工場長のクチから「2万・・・」って言葉が出た時点で、
(に、にまん? じゃあ自分で行くわ)
と、仕事の都合なんかそっちのけで平日に休むことを決めたので、レッドバロンに頼むと実際にいくらかかるのかはわからないのだが、それにしても自分で行けば5,500円で済むものを、さらにその10倍もの金を払わなきゃいけないなんて・・・。
車検なんて、自分で行っても全然たいしたことはない。面倒くさくはあるが、少なくとも2万も3万も(5万も?)払うような価値はまったくない。仕事を休むとそれ以上の減給になる人ならともかく、「有給休暇」というすばらしい権利を保有するサラリーマンの皆さんには、ぜひ自分で行くことをオススメする。
川崎は今日も雨だった
前回、2年前のユーザー車検の記憶と言えば、なんと言っても「豪雨に見舞われたこと」である。
B棟での検査が始まる頃に降り出した豪雨は、当時川崎市幸区にあったガレージ(借)に帰るまでずっと降り続いていた。
(▲2015年8月17日 川崎の検査場にて)
そして今回、2017年。戸塚の拙宅を出た頃は曇り空だったが、川崎市内は(小降りとは言え)雨が降っていた。
「まぁた雨かよ!」
ヘルメットの中でひとりグチりながら、13時15分頃、検査場に到着。
それにしても、今年の8月の長雨は異常だ。「また今日も雨か」なんて言っているうちに、夏が終わろうとしている。梅雨の間はほとんど雨が降らなかったのに、梅雨明けしたら雨ばかり。「梅雨」の定義って、いったいなんなんだろうか。
失われちまったやさしさは
予約したのは「第4ラウンド」 で受付は14時からなのだが、もちろん書類は先に書いてしまっていい。
前回・前々回の経験から「まず最初にD棟で書類をもらってくればいい」とは思ったのだが、2年前の記事でも「まずはA棟の『5:ユーザー受付』に行きましょう」なんて書いたとおり、
ユーザー受付に行くと、職員さんが親切丁寧に手順を教えてくれる。
3回目とは言え、2年ぶりでほんの少し不安もあったし、今回も職員さんのやさしさに触れたくて、まずはユーザー受付(この写真▼の左手辺り)に行ってみた。
ところが、今回カウンターに座っていた職員は、やさしさの微塵もない表情で
「まずはD棟で書類をもらってきて、ひととおり書いてからまたココに来て下さい」
と無感情に言い放つだけであった。まるで、
「3回目のくせに、手ぶらで受付に来てんじゃねえよ」
とでも言いたげな様子で。
よもや彼は、2年に1度しか来ない男の顔を知っているわけではあるまい。なんだろう、2年来ないうちに、ユーザー受付の「親切システム」は崩壊してしまったのだろうか。それとも、前回・前々回と私が触れたやさしさは、単に職員さんのパーソナリティだったのだろうか。
(つづく)
*1:実際には「2万」と聞いた時点で頼む気をなくして話をちゃんと聞いてなかったので百の位は覚えていないのだが、以降の話の“つじつま”を合わせるために「500円」としておく