Motor Samurai「ウルトラライトレインスーツ」は確かにウルトラ軽い、でも
「Motor Samurai」という、オートバイ業界にありがちな名前を冠したカッパを購入した。
「KATANA」だの「Ninja」だのと同じ系譜だとは思うが、サムライに“走る”とか“速い”とかのイメージはあまりない。「Motor Hikyaku」の方が良かったんじゃないだろうか。ダメすか?そうスか。佐川急便だもんね、それじゃ。
RSタイチ謹製以外のウェアを買ったワケは
一生の誓い
私は、オートバイ用のウェアはRSタイチで買うと決めている。つい去年ぐらいからではあるが。
今年 (2019年) の3月頃、「e-HEAT」の電源が入らなくなったのでカスタマーサポートに電話したのだが、そのときの応対がめちゃくちゃ感じ良かったので、より一層その思いを強くした。電話の向こうで、関西地方 *1 特有の気持ちをホッコリとさせるイントネーションで話すおねえさん(かどうかは知らないが、声質で判断する限りでは20~30代)に、殺伐とした現実に痛めつけられたおっさんズ・ハートは癒やされた。
(もう一生、RSタイチ製品だけを買い続けます!)
そう心に誓ったのは言うまでもない。
新しいカッパが欲しい
さて、季節は流れ、ライダーの天敵=梅雨の時季である。
梅雨の時季に必要なオートバイ用品といえば、言わずもがな「カッパ」・・・今日ビ「カッパ」なんてメディアでは言わないとは思うが、昭和を生き抜いてきたひとりの日本人として「レインウェア」っつーのもどうにもピンと来ないので、この記事では「カッパ」と表記する。あしからず。
2006年、スズキ・ブルバード400でリターンしたばかりの頃に、今は亡きライコランド環八蒲田店で購入したヤマハ謹製(ま、ヤマハ発動機(株)が作ってるワケじゃないだろうけど)のカッパが、10年以上の時を経ていい加減ヘタってきたので、今年は新調を考えていた。
RSタイチには、4種類のカッパがラインナップされている (2019年6月現在)。
どれにしようか決めかねていた折、みんな大好きオートバイ雑誌「BikeJIN 2019年7月号」に、何やらヨサゲなカッパが掲載されているのを目にしてしまった。
BikeJINの殺し文句にあっさりと誓いを破る
BikeJINの記事には、こう書いてあった。
500mlペットボトル並みのコンパクト収納を実現
ツーリングライダーのハシクレとしていつも思うのは、「デカいカッパはジャマだな」ということである。長年愛用していたヤマハ謹製のカッパの収納寸法は、おおよそ「300(W)×210(D)×70(H)mm」。
大きさ的には、何が近いだろうか・・・としばらく考えて思い付いた。「20年ちょっと前の、ディスプレイが小さくてブ厚いノートPC」だ▼。
画像出典:NECがCD-ROMドライブ、FDD搭載の薄型ノート「98NOTE Lavie」2機種4モデルを発売
さすがに現物のPCはとうの昔に手放してしまったので比較はできないが、「外形寸法=306(W)×243(D)×47(H)mm」なので、非常に近い。当時、大枚はたいてこのノートPCを購入した途端、NECが「PC98-NX」への転換を発表して超ショックを受けたのを超ひさしぶりに思い出した。情弱に起因する買い物ベタは、昔っからだったのだ。
閑話休題。私が所有するタンクバッグもシートバッグもソコソコの容量があるが、いずれもその半分ほどをカッパが占拠してしまっていた。
- この国でツーリングに出れば、いつ雨に降られるかわからないから絶対に必要
- しかも、持ってないヤツは岩城滉一御大に「にわかライダー」呼ばわりされる▼
- でも、雨さえ降らなければ無用の長物
それが、カッパという“悩ましき存在”である。収納寸法は、小さければ小さいほど良い。「『500mlペットボトル並み』なんて超いいじゃん!」と思ったことは言うまでもない。
そしてさらに、次の“殺し文句”を目にした途端、RSタイチのことなどすっかり忘れて、思わず「"ウルトラライトレインスーツ" "MSR-01"」でGoogle検索する私であった。
非常に高価な素材を使用しているため、この価格で提供できるのはこの型限り。買えるのは今しかない!
RSタイチのおねえさん、誓いをあっさり破ってごめんなさい。夏用ジャケットは御社の製品(RSJ319 VIENTO AIR JACKET *2)を購入したので、どうかお許しください。
Motor Samurai ウルトラライトレインスーツのインプレッション
コンパクトな理由は
さて、実際に手にした(株)山城謹製「Motor Samurai ウルトラライトレインスーツ (MSR-01)」は、確かにコンパクトだった。届いてすぐ、キレイに収納された状態の写真を撮れば良かったのだが、めんどくさがっていたらすぐに雨が降って、早速使うハメになってしまった。
私は、「モノをたたむ」という行為が、ひどくキライかつニガテである。
なのでこんなにブカッコウなカタチになってしまったが、大きさ的にはそう違いはないだろう▼。
「『同等』という言葉をどこまで拡大解釈するか」にもよるし、見た目の印象としてはあながち間違ってはいないが、こうして実際に比較すると、500mlのペットボトルよりははるかに大きい。とはいえ、10年以上前のヤマハ謹製の旧態依然としたカッパはもとより、現代の一般的なヤツよりもコンパクトであることには違いない。
ではなぜ、こんなにコンパクトなのか。
そう、少し考えれば誰でもわかることだが、生地がペラッペラに薄いのだ。
(こんなんでホントに大丈夫なの?)
と不安になるぐらいに薄い。そしてその不安は、悲しいかな的中したのだった (後述)。
「サイズ=XL」でちょうどいい
カッパというものはジャケットの上に着るモノなので、サイズは大きめを選ぶのが重要である。上に掲載した写真のとおり、長年愛用したヤマハ謹製カッパのサイズは、デブ御用達の「3L」。なので全身ブカブカなのはもちろん、袖は腕よりもはるかに長く、ズボンの裾は引きずる始末だった。でもそれぐらい大きい方が、乗車姿勢をとるといい感じにグローブやブーツをカバーしてくれるのだ。
ウルトラライトレインスーツの場合、いちばん大きい「XL」でも、ほぼジャストサイズである。
私は身長176cmの「ミドルクラス」なので、東京駅~大手町駅間の地下通路の一部(OOTEMORIと東西線の連絡通路)の天井にアタマがぶつかる程度にデカい人(私は感覚的には「ぶつかる!」と思うが実際には背伸びしてもぶつからない)は、カッパとしては小さいんじゃないだろうか。
心許ない防水性能
購入して最初の月曜日、戸塚は本降りの雨であった。「月曜日+雨」ほど、ユウウツになるコンビネーションもそうそうないが、ウルトラライトレインスーツの実力を試すにはもってこいである。ま、拙宅から戸塚駅までは、わずか10分程ではあるが。
生地が薄いので、着心地はとても軽い。カラダを動かしても、「ガサガサ」というカッパならではの不快な音がすることもない。さすがは「非常に高価な素材を使用している」だけのことはある。
だがしかし。
駅が近づく頃、カッパの下に履いているズボン (安物) の太股の辺りが湿ってきているのを感じた。M109Rよりはるかに雨粒が当たらない、ボディマウントシールド付きの“フルカウル”なPCXに乗っているにもかかわらず、だ。
こんなんでは、何時間も雨に打たれ続けることもザラにあるロングツーリングでは、ほとんど使いモノにならないんじゃないだろうか。