オートバイ用ナビを考える:その1
「しばらくお待ちください」
先日伊豆に行った時、PND(Panasonic CN-MC02L)が電源OFF *1になる度に「しばらくお待ちください」と表示されたまま、固まる現象が起きた。
電源ボタンを長押ししてもまったく反応しないため、
- 主電源ボタン *2を [切] にして数秒後にようやく電源OFFになり、
- 主電源ボタンを [入] に戻すと数秒後に電源はONになるが、
- ナビ(地図)画面が回復するまでに数十秒待たされる
ということをオートバイのキーをOFF→ONする度に繰り返さなければならず、非常に面倒くさい上に、始動後すぐに出発することができなかった。
この不具合に加えてCN-MC02にはいろいろ不満がある(後述)し、もう2年以上使用したので、そろそろ次のナビを検討してみよう。
Panasonic CN-MC02(通称「サイクルGorilla」)の問題点
以前使用していたnav-Uと、その製造元SONYに愛想が尽きてた頃(後述)、Panasonicさんからモニタ販売の知らせが届き、「買取査定アップ券付」という文言と税込32,700円という手頃な値段に釣られてロクに調べもしないで飛びついたサイクルGorillaであったが、いろいろ問題があった。
手頃な値段には、理由があったのだ。
クレードルから電源が供給できない
SONYのnav-Uは本体をクレードルに置く(ハメる)だけで電源が供給できるよう、お互いに端子が設けられていた。
それが当たり前だと思っていたので、CN-MC02に換えた時、「え?あら??」ってなった。
- クレードルにハメる
- USB端子(電源供給兼データ転送用)のゴムカバーを開ける
- 電源ケーブルを接続する
という作業が必要になる。めんどくさい。
また、わざわざゴムカバーで保護しているUSB端子がムキ出しになってしまうのも、雨天時には少し不安 *3。
GPSログのファイル形式がKMLのみ
個人的には、これが最大の問題点。“欠陥”と言ってもいい。
nav-UはNMEA形式に対応していたので、この↓スグレモノソフトで楽しんでいた(独りで)。
こんなページが簡単に作成できる。
が、「轍」はKML形式の取込には対応しておらず、ファイルを変換すると“軌跡”が粗くなったりズレたりするので、CN-MC02に換えてからは使用しなくなってしまった。
『轍』サポート掲示板で開発者の方が強烈に皮肉っているように、KMLファイルの問題点は「データに時刻情報が持たせられない」こと。
Google マップ(マイマップ)にKMLファイルをインポートするとわかるが、各ログ(ポイント)の時刻が全て「記録を開始した時刻」になってしまう。
「どこを通ったか」はわかるが、「どこを何年何月何日何時何分何秒に通ったか」がわからない。
「ログを見る楽しみ」が、7割ぐらい失われた感じがする。
It’s a Sony
本題からは少し逸れるが、過去のナビについても触れておこう。
主に、SONYへの「惜別の辞」として。
MAPLUS(+PSP)
一番最初のオートバイ用ナビは、PSPにGPSレシーバーをくっつけて使用する「MAPLUS」だった。
これを購入したのは1代目_M109Rの頃=2007年頃なので、あまり覚えていない(記録もない)が、「手持ちのPSPを利用してカネをかけずにナビを導入する」というセコイ思惑があったと思う(GPSレシーバーとUMDのセットで1万円ぐらいだったと記憶している)。
が、これがヒドイ代物で、衛星を捕捉するのに数分かかり、「衛星キターーー!」と思ったらすぐに固まったりと、まったく使い物にならなかった。
その後バージョンアップで改善されたかどうかは知らないが、よくもまああんなもの、商品化したものである。
その後、BOOKOFFに売っぱらったか、誰かにあげたのか、それさえも覚えていない。
SONY NV-U35
2010年5月に2代目_M109Rを購入後、走行ログを記録したくなり、秋月電子で激安のGPSロガーを購入したが、またしても「安物買いの銭失い」な代物だったので、“GPSロガーとしての”PNDを検討し、SONYのnav-Uを選択。
2010年8月、「NV-U35」を購入。INFOBAR2なつかしー(関係ないけど)
この機種は性能的には何の問題もなく、GPSログも細かく録れたが *4、ソニータイマーよろしく、1年経過した頃から「勝手に再起動する」不具合が発生。
ただし、元々「オートバイでの使用は推奨していません」と謳っていたし、オートバイの中でもとりわけ振動が多いM109Rで使用していたので、文句は言えず。
しばらくはダマしダマし使っていたが、ある日あまりに頻繁に再起動しまくるのでイラついてブッ叩いたら、液晶が“プッッツーーーン”って感じでお亡くなりになってしまった。
SONY NV-U37
というわけで2012年4月、後継機種「NV-U37」を購入。
この機種は「オートバイでの使用も可」だったはずだが、使用後数ヶ月でまた「勝手に再起動」する現象が発生(使用に耐えらないほどのヒドい症状ではなかったが)。
そんな折、「SONY、カーナビ事業から撤退」のニュースが飛び込む(2012年7月)。
要は「スマホのナビアプリが出てきて、儲かんないんでヤメます」ってことだった。
なんだかなあ・・・
儲からなくても、他社ではマネできないアイデアで市場を切り開いてこその、SONYではなかったのか? *5
ウォークマンを「発明」し、他社より圧倒的にカッコいい*6ラジカセ(死語)を次々と発表していた、私がガキの頃の“キラキラしたSONY”は、いったいどこに行ってしまったのか?
この時、ガキの頃から長年培ってきた私の「SONY愛」は、完全に消えてしまった。
その後、現在に至るまでSONY製品は一切購入していない。
2012年10月、CN-MC02の購入に伴い、Panasonic斡旋の「買取サービス」で1万円で売却。
オートバイ用ナビに期待すること
元々、PND本来の機能よりもGPSロガーとしての役割を期待しており、ナビゲーション機能は「どこかに行く」よりも「自宅に帰る」ことを目的としていた。
だって、「ウチに帰る」って決めたら、さっさと帰りたいじゃん?
それに高速道路の渋滞を嫌って途中で降りたりすると、結構な確率で道に迷うので・・・
あと、「防水である」等の基本要件はオートバイ用として当然なので ここでは割愛して、PNDに期待することは以下の3点(=主にCN-MC02の”問題点の克服”)。
GPSログファイル形式はKML以外をサポート
NMEAとか、GPXとか。
要はデータに時刻情報が保持できる、「轍」が対応してしているファイル形式であれば良い。
クレードルからの電源供給
頻繁に付けたり外したりするものなので、取り外しはやっぱり簡単な方が良い。
あと、CN-MC02の場合、USB端子に電源ケーブルを接続するとゴムカバーが横に“ピョーン”とはみ出た状態になる(冒頭の写真ではたまたま隠れてるけど)。
その“見てクレ”がキライ。
豊富な施設検索
近年はキャンプに行き、近くの銭湯に行くことが多い(っつっても過去2年間でたった4回だけだけど(笑))。
CN-MC02の数少ない長所として挙げられるのは、
- 施設検索メニューに[キャンプ場]と[銭湯]がある
こと。
これはまあでも、どのPNDも同じような地図製作会社の同じようなデータを使っているので、検索メニューもほぼ同じような気もするが。
(つづく)