「スズキ歴史館」に行ってきた:お勉強篇(1)
1階の展示はショールーム的な意味合いしかないので(二輪の方はそれさえもないが)、カタナに跨がってその”窮屈さ”を実感した後は・・・
とっとと2階に向かう。
まずは新車の企画会議に参加する
ただし、下ッパの私の発言は一切聞いてもらえないようだ。「聞いてるだけ」の会議は、眠くなってしょうがない。
企画会議では何の意見も聞いてもらえず意気消沈したが、気を取り直してデザイン室に戻る・・・
って、(その一角を再現しているだけとは言え)このショボいデザイン室を展示する必要があったのだろうか。ここに数多く訪れるであろう、イタイケな子供たちに「こんな風にパソコンで”ちゃちゃっと”デザインしてるんだね!」と、あらぬ誤解を与えないのだろうか、と心配になるが・・・
安心してください(©とにかく明るい安村)、この後「カーデザイニング」についてきっちり紹介するフロア構成になってます。
開発ゾーン:カー デザイニング
というわけで、2階フロアの半分はクルマの開発・生産工程のモロモロを展示している。カーデザインについてかなり丁寧な説明がなされていて、そっち系が好きな人はけっこう楽しめると思う。
出典:https://www.suzuki-rekishikan.jp/facility/
クレイモデル
の、再現モデル。製造工程としては順序が違うと思うが、順路どおりに掲載。スペースに限りがあるので、製造工程の順序どおりにきっちり並べるのは難しいのだろう。
カースタイリング ラボ
縮小モデルとコンピュータでスタイリングを確認する行程を紹介。
でもレスポンスが悪くて途中で飽きてしまった。
デジタル モックアップ ラボ
クルマの「設計図」を見るコーナー。ブログのために3つの端末を全部ONにしてみたが(笑)、真ん中と右端が同じ画面になってた。詰めがアマい。
1/1インテリア(カットモデル)
あえて「左ハンドル+マニュアル・トランスミッション」にしているのは、「私たちはヨーロッパ市場に主軸を置いています」というアピールだろうか(考えすぎです)。
カットモデルいろいろ
カットモデルもたくさん置いてあって、機械好きとしては楽しめた。まあ”学問的”な話はぜんぜんわかんないので、あくまで”見た目的に”楽しめた、って話。
R06A型エンジン(カットモデル)
軽自動車用の3気筒エンジン。右奥が改良型。
スイフト初期型(カットモデル)
補機類は省かれているので随分スカスカに感じる。
いまこの写真をよく見てみたら、運転席側に乗り込めるようだ(センターコンソール上部に置いてあるボードに「動かしてみよう!」とある)。「なんでアクリル板で覆われてんだろう?」って少し不思議だったが、現場ではぜんぜん気づかなかった。
ちゃんと教えてよ・・・(むしろちゃんと確認しましょう)
V-Storm 1000(カットモデル)
2階は四輪中心で二輪に関する展示はほとんどないのだが、その数少ない二輪関連展示物のひとつ。上のスイフトに遠慮するかのように、端っこにヒッソリと置いてある。
まあ子供たちが大挙して訪れるんだろうから、「もし倒してケガでもしたら大変だ!」ってことなんだろうけど、ここまで思いっきり囲わなくても・・・
せっかくのエンジン部分を覆い隠すような囲い(ロープ? リボン?)がジャマだったが、それでも、このエンジンを眺めるだけでハイボール3杯は飲める。できれば、ここで酒が飲みたい。
開発ゾーン:テスト
実際は多種多様なテストをやっているのだろうが、さすがにそのすべてを展示はできないので、ごく一部のテストがギュッと一区画に凝縮して展示されている。
テスト車両
テストコースを模したナナメのステージと、ど迫力のテスト車両の実車。
衝突テストの実際
スタートボタンを押すと、ガラスがスクリーンになって衝突テストのモロモロが延々と流れる。ビデオが終わると、改めてガラスの向こうに「オフセット前面衝突テスト」の実車が置かれている、という凝った仕掛け。「事故車両」も好物なので、ココでもウマい酒が飲めそうだ。もし自分のクルマがこうなってるのを見たら、精神的に10年は立ち直れないと思うけど。
安全装置いろいろ
赤の吹出しが「対乗員用安全装置」、緑色が「対歩行者用安全装置」。
「これだけたくさんの工夫が詰まってるんですよ」というアピールを視覚的に表現した、すばらしい展示である。
ま、これを全部読む人はあんまりいないと思うけど。
プロトタイプ/コンセプトカー
Kizashi(キザシ)
スズキが社運をかけて開発したフラッグシップ。
そのワリに国内では受注生産と、ほとんど売る気がないというか、ハナから売るのをあきらめている。もったいない。
ちなみに、コンセプトカー▼はおそろしくカッコ良かったのだが・・・
出典:スズキ・キザシ - Wikipedia
REGINA(レジーナ)
2011年の東京モーターショーで展示されたコンセプトカー。人ゴミ嫌いでモーターショーなんて絶対に行かないので画像でしか見たことがなかったが、コレはよく覚えている。フロント/サイドだけじゃなくてリアの造形にも特徴があるのだが、「ココから入っちゃダメ」的な囲いがあって見られなかった。Kizashiの方も「この車の窓ガラスには開発にたずさわった多くの社員が名前を記しました」なんて書いてるくせに、囲いで近づけないからよく見えないし。
こういうところがダメだよなあ・・・
二輪のコンセプトマシンは?
スズキの場合、二輪のコンセプトマシンにもステキなヤツがたくさんあったと思うが・・・
古くはコレ▼とか(コレはさすがに古すぎる(1985年)けど)。
出典:1985 Suzuki Falcorustyco Wallpaper - Mbike.com
残念ながら、それらの展示はなかった。
もし「過去の二輪のコンセプトマシンをすべて展示」とかしてくれたら、もう定期的に通っちゃうけどね。
2階の展示は、まるで二輪メーカーでもあることを隠したがっているかのようでもあった。なにをやっても黒字にならないから、二輪はもうヤメたいのだろうか。
今のところはホンダ・BMWと並ぶ数少ない二輪・四輪両方を作るメーカーなのだから、冒頭の(あまり意味があると思えない)企画会議やデザイン室の展示はツブして、二輪に関する展示も充実させて欲しいものだ。
スズキ歴史館一口メモ③
(つづく)